2013年7月4日木曜日

The Wall

 ピンク・フロイドのアルバムに『ザ・ウォール』(1979年)というのがありましたね。
で、今日は壁の話です。

 今、京都市立病院の新しい手術室には、奇妙な壁があります。外周廊下に出て、本館側をながめると、立ち入り禁止の張り紙がされた黄褐色の壁があります。以前は、向こう側からの光はまったく差し込んでいなかったのですが、最近は、明かりが漏れてくるようになりました。
 

外周廊下にて、新館側から本館側をながめると
突き当たりに
うっすら明かりの漏れる奇妙な壁が…

 この部分は、将来本館手術室の外周廊下と新館手術室の外周廊下をつなぐための通路となります。この通路を作るために、旧3番の手術室を改装していました。作業は、ガラス戸を目張りされて進められているので、中の様子はまったくうかがえません。でも、明かりが漏れてきたということは、開通間近ということなのでしょうか。

 ところで、「壁」という言葉で思い出すのは、カーネギー・メロン大学のバーチャル・リアリティの教授だった、ランディ・パウシュの『最後の講義』の中の言葉です。
 ランディ・パウシュは、全身に転移した膵癌を患っていました。余命は3ヶ月から半年と言われているときに、文字通りの『最後の授業』を、母校でもあるカーネギー・メロン大学の講堂で行いました。演題は「子供時代に抱いた夢の実現」。アメフトの選手になりたい、スター・トレックのカーク船長になりたい、ディズニーの創作チームに入りたい、等々という子供時代の夢をいかに実現したか、ということをユーモアたっぷりに語って、会場をわかせています。
 この講義は、YouTubeで今でも見ることができます。(ランディ・パウシュの「最後の授業」)



 この講義の中で、’Brick walls are there for a reason : they let us prove how badly we want things’という言葉が出てきます。すなわち「レンガの壁がそこにそびえているのには訳がある。それは、私たちがどれだけ真剣に欲しているかを試すためにそびえているのだ」という意味です。

 この『最後の講義』の裏話を自ら書いた’The LAST LECTURE’には、'... The brick walls are there to stop the people who don't want it badly enough.  They're there to stop the other people.'この言葉は、後に夫人となったジェイとの出逢いについて触れた部分で言われています。
 高嶺の花の美しい女性(壁)を前にして、それを乗りこえることをあきらめてしまうのは、本当に望んでいない証拠。その壁は、他の人びとの足を止めるためにあるのだ。ランディ・パウシュという人は、つくづくポジティブな思考の持ち主だったようです。




 彼は、この『最後の授業』から約一年後、2008年7月25日に亡くなりました。享年47歳でした。















今日のお土産

 今日は、はるばる静岡から I先生が当院の手術室を見学に見えました。
 I先生は、前もって、この「京都市立病院麻酔科ブログ」をご覧になっていて、よく「今日のお土産」が載っているので、手ぶらでは来られないと思われたそうです。
 誤解のないように断っておきますが、「今日のお土産」は、決しておねだりをしているのではありませんので、お気遣いなさいませぬよう。
GIOTTOのクロワゼ
ティーオレ&フルーツとカフェオレ&ナッツの
二種類のケーキ菓子の詰め合わせ
 I先生、ありがとうございました。