このクチナシは不思議な花だと昔から思っていました。とてもよい香りがして気をひくのに、白くきれいに開いた花をなかなか目撃できなかったからです。
花は、初めは白いのですが、その香りとは裏腹に、じきに黄褐色に変色してしまいます。夜の方が香りが高くなるそうです。しかし、香りをたよりに花を探すと、たいてい黄色く変色していることが多いのです。
秋に実を結びますが、この実は熟しても口を開かないので、クチナシ(口無し)という名まえがついたと言われています。
今日は、ちょうど今朝開いたばかりのような、真っ白なクチナシの花に出合うことができました。
さて、気管挿管するときに使う道具に喉頭鏡があります。この喉頭鏡は、通常左手に持って舌を左によけて、喉頭蓋谷にブレードの先端を進めて、45度斜め上前方(患者の足方)へ力を加えると喉頭蓋が持ち上がって声門を確認できます。
しかし、舌腫瘍が舌の右側にあって、出血するようなおそれがある場合には、あえて舌を左側から圧排して喉頭展開する場合があります。
このときに用いるのが、いわゆる左利き用喉頭鏡です。ブレードの造りが通常の喉頭鏡と鏡像のようなかっこうになっています。
左が左利き用喉頭鏡 喉頭展開するときは、これを右手に持ちます |
左利き用喉頭鏡は右手に持ちます |
A先生の経鼻挿管を見ていて気づいたのですが、左利き用喉頭鏡を用いると、マギール鉗子が左手で扱えませんね。マギール鉗子は右手に持って使うように作られていて、挿管チューブの先端が食道側にずれたときなどに、気管チューブの先端をはさんで声門に誘導する道具なのです。
でも、今日はエンドトロール式の気管チューブを用いていたので、万が一食道側にチューブがずれてもリングをひいて先端を屈曲できるので、心配は要らなかったようです。
ちなみに、左利き用マギール鉗子を作ってみたら、こんな感じでしょうか?
左利き用マギール鉗子!? |