大勢の人がくり出す四条通り |
夕方からは祇園祭の山鉾に灯がともり、通りには所狭しと露店が並び、街中では祗園囃子が流れます。今では、宵々々山、宵々山、宵山の三日間が歩行者天国となって、烏丸通りや四条通りに大勢の人がくり出します。
今日はあいにくの雨模様ですが、祇園祭のこの時期はハレの日です。
昔から日本人は、ふだんどおりの日常生活を送る日を「ケ(褻)」の日と呼びました。これに対して、神社の祭礼やお寺の法会、正月や節句、お盆などの年中行事、冠婚葬祭を行う日を「ハレ(晴れ)」の日として、単調になりがちな生活に変化とケジメをつけていました。(飯倉晴武編著『日本人のしきたり』[青春新書]より)
四条通りにある からくり時計 |
四条通りにある証券会社の前に、からくり時計があります。一定の時間になると時計の中から長刀鉾の模型が下りてきて、しばらく祗園囃子を聞かせてくれます。なかなか正時に遭遇する機会がなかったのですが、去年たまたまからくりが動く機会に写真を撮ることができました。なかなか見事な細工でした。
一定の時刻になると長刀鉾が下りてきます |
17日の朝からは、祇園祭のクライマックス、山鉾巡行がとり行われます。この巡行の先頭を行くのが長刀鉾です。いくつかの鉾には、ちまき等を買い求めれば誰でも見学に昇ることができるのですが、この長刀鉾だけは現在でも女人禁制となっています。
長刀鉾 右手の橋から鉾に昇ります |
囃子方は狭い鉾の手すりに半分お尻を出して 座っています |
長刀鉾から西を見るとこんな感じです |
囃子方はひと休み中 |
長刀鉾の囃子方の位置から 天上を見上げると、鮮やかな幕がかかっていました |
この大きな鉾(10tくらいあるそうです)が、釘を一本も使わず、木組みと縄だけで仕上げられているのは驚異的です。長刀鉾のてっぺんにつけられている長刀の古くなったものが部屋の中に飾られています。祭りの起源は9世紀ころにさかのぼるそうで、21世紀の今日まで支えてきた民衆の力もまた驚異的ですね。
以前に使われていた長刀 |