今日は、第60回日本麻酔科学会学術集会の初日。外気温は10℃前後。
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メイン会場のロイトン札幌ホテル 書籍販売スペースから会場入り口を望む |
会場のロイトン札幌は、朝早くから学会参加をする麻酔科医でにぎわっていました。
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ポスター発表前のE先生 |
京都市立病院麻酔科からは、E先生がポスター発表されました。
内容自体は前院でのご経験をもとにされたものですが、研修医や専攻医の先生方がポスターセッションに参加してくださいました。
ぼくは、麻酔科学のスタンダード・テキスト
’Miller's Anesthesia’で知られている、あのRoanld D. Miller博士の講演を聞きに行きました。
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'How to write an article and lead a study?' Ronald D. Miller (University of California San Francisco) |
これまでも何度か麻酔科学会に来られていたのですが、なぜか講演を聞く機会がなく、今年は講演の内容ではなく、Miller博士ご本人を見るために会場に足を運びました。
エディターの立場から、良い論文を書くためのアドバイスをしておられました。
同じ招請講演の中で、弘前大学の廣田和美先生は、年々麻酔科領域の臨床研究分野の論文数が減少してきていることを危機感をもって話されていました。
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麻酔科領域の基礎研究論文数はあまり変化ないが 臨床研究論文は明らかに減少傾向にある |
その要因として挙げておられたのは、卒後医師臨床研修制度導入による麻酔科医の意識の変化および研修医の地域偏在化(マッチングのほとんどが東京・神奈川に集中し、地方大学は研修医数が減少している)、手術件数増加に伴う麻酔科医の多忙による研究時間の減少などでした。
講演の後のコメントで、30歳代の産科麻酔科医が研究をしたくても多忙で、時間もなく体もクタクタになっている、と訴えておられたのが印象に残りました。
印象に残った北海道:特別編
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文字通り、年輪を刻む、ですね |
北大構内には、総合博物館があって、誰でも無料で見学ができます。
北大ゆかりの学者による研究成果(中谷宇吉郎の人工雪の研究など)や、民俗学的資料や岩石標本、明治の農学校当時の貴重な蔵書などが展示されています。
写真の木の断面は、2004年の台風で倒れたハルニレの倒木です。木の年輪に、北大の歴史を重ねてありました。こうして見ると、ハルニレの木が歴史を静かに見守ってくれたのだなぁ、と感謝したくなりますね。
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今もときどき演奏されているそうです |
北大では、台風で倒れた木も無駄にせず、同じ台風で倒れたポプラの木もチェンバロに再生されて展示されていました。
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市民の力によって再生された北大のポプラ並木 2004年の台風18号で、51本のポプラの木のうち、 19本が根こそぎ倒れ、8本が傾きました。 |
倒木一つといえども無駄にはしないという精神は、産業も酪農もなかった蝦夷地に移住した開拓者たちの精神を受け継いでいるからなのでしょうか?
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時計の針は、実は木でできているとのこと 四面のうちいくつかは、今も朽ちていないとの由 |
札幌時計台はその開拓精神の象徴かもしれません。
この時計台は、石を入れたおもりの力だけで、130年以上前から現在に至るまで、ほとんど狂いなく時を刻み続けています。正時に鳴る鐘の音も、130年以上前のそれと同じなのだそうです。札幌の大火に見舞われたときには、北大の学生が屋根に上って火の粉をはらったそうです。
ペンキは何度か塗り直されましたが、基本的な時計の構造と部品が今も健在なのは、資源の少ない土地を開拓してきた人々の、ものを大切に扱う心の表れなのかもしれませんね。
ふと見ると、足下のマンホールのふたにも時計台が描かれていました。歴史を思うと、うっかり踏んで歩くのがもったいなく思えました。
札幌を去る前に、北大の植物園を見学しました。
100円が戻るコインロッカーに重い荷物をあずけ、文字通り肩の荷を下ろして、雨上がりの植物園をのんびり歩いて回りました。芝生の中に、柵のない赤土の小径が続いています。北大の総合博物館もそうだったのですが、貴重な資料や植物があるにもかかわらず、監視する係員が見当たりません。にもかかわらず、植物園にはゴミひとつ落ちていませんでした。
カラスや野鳥はたくさん飛び交っていましたが、これだけの植物に恵まれているのに、不思議といわゆる虫はほとんど見かけませんでした。
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札幌で最古のライラック。 1890年(明治23年)にサラ・スミス女史が 故郷のアメリカから携えてきた苗木から 育てられたものだそうです。 |
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ハルニレの巨木 じっと見ていると、向こうもこちらを にらんでいるような… |
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個々の木に名札がなかったら さながら森に迷い込んだような錯覚に陥りそう |