2013年5月15日水曜日

ミッシェルバッハとレモンの木

 今日は、香川大学医学部6回生のNさんが京都市立病院の麻酔科を見学に来られました。
 同じく、香川大学出身のK先生と一緒に、一日手術室の中で麻酔と手術を見学されていました。









第5頸椎のあたりで、咽頭のラインから
喉頭のラインへ移行するところに
中二階に上がるような段差があるのが
わかるでしょうか?
一年目研修医のY先生は、気管挿管のときのチューブの進め方で少し悩んでいました。喉頭展開をして、声門が見えているのに、その向こうに気管チューブをうまく進められないことがある、のだそうです。

 頭頸部のレントゲン側面像で観察するとよく分かるのですが、咽頭のラインと喉頭のラインというのは、一直線上にはなくて、喉頭のラインの方が、少し前方にシフトしています。ですから、気管チューブの先端が声門に届いたら、「しゃくりあげるように」チューブを進めると結果的に気管のラインにチューブを進めることができるのです。ちょうど、階段を中二階に上がるような感じでしょうか?
 慣れないうちは、どうしても奥へ入れようとして背面に向かって気管チューブを進めがちなのですが、これではなかなかうまく挿管ができないようです。

 今日のお土産。
夙川 クッキーローゼ
チョコレートとバニラのお花のクッキーです。
夙川で生まれて育ち、お客様に心をもめて焼いております。
毎週、水曜日に来て下さるO先生が、ご実家の近所にあるミッシェルバッハというお店のクッキーを持ってきて下さいました。
 このお店は、知る人ぞ知る、有名なクッキーのお店なのだそうです。






ふぞろいだけど無農薬のレモン



 また、O先生のご実家にはレモンの木があって、たくさんのレモンも持ってきて下さいました。無農薬なので、皮まで安心して食べられるとのことでした。









 ミッシェルバッハの紙袋とレモンの実を並べると、けっこうサマになっていました。

 かつて、梶井基次郎の『檸檬』という短編小説には、レモンを爆弾に見立てて、京都の河原町にあった丸善で、積み上げた画集の上に、このレモンを置いて帰るというエピソードが出てきます。
 しかし、この河原町の丸善も今では店をたたんでしまい、跡地はカラオケビルになっています。主人公がレモンを買い求めた寺町通りの果物屋は、まだ健在みたいです。
 京都に丸善がなくなったのは、時の流れとはいえ、少し淋しい気がします。