2013年4月30日火曜日

親孝行のおすそ分け

 ゴールデンウィーク半ばの火曜日は、お土産のラッシュでした。 
 長い休みに入ってまず考えることは親元への帰省なのでしょうか?今日は、帰省がらみのお土産を三つもいただきました。

愛知のご実家に帰られたF先生からは安永もちを、奥さまのご実家に帰られた専攻医のA先生からは夜のお菓子うなぎパイを、広島のご実家に帰られたナースのTさんからは、錦もみじを、それぞれいただきました。
 

             




 みなさん、ありがとうございました。






















 今日は、4月の最終日。ナースのTさんは今日が最後の出勤日でした。夕方帰り際に、みんなからの寄せ書きとブーケを贈られて去って行かれました。
 Tさんは、昨年12月にパートでオペ室に来られましたが、年末の避難訓練では脳外科の腹臥位患者役で名演技をされていました。
 5ヶ月間、ありがとうございました。
脳外科腹臥位患者を演じるTさん

Tさん、オペ室最後の笑顔。
お元気で

 朝からの雨は、夕方には上がり、きれいな夕焼けが見られました。
 あしたは晴れるかしら?
桂川にかかる上野橋(かみのばし)から西山を望む

2013年4月29日月曜日

桜の木の裏側で…

西院高山寺の大イチョウ
 
 南駐車場の桜にばかり気をとられている間に、高山寺の大イチョウがすっかり夏の葉をつけていました。















木の幹の左手奥に…


 京都市立病院南駐車場の桜の木の幹の左手奥に、ふだん見かけない白いトラックが見えます。












コンクリートポンプ車でした

 裏側に回ってみると…コンクリートポンプ車(注)でした。
















 このゴールデンウィーク、企業は9〜10連休というところもあるようですが、目下改築中の京都市立病院では、休日にしかできない作業が進行中のようです。
 手術室でも、本館のナースカウンターを改装するために、休みの間を利用して作業が進められています。
本館の手術室入り口を入ったナースカウンター。
ピンク色のが新しいカウンター。
右手のカウンターもいずれは撤去されます。

 この作業の間は、本館のドアからの患者さんの入室ができないため、緊急手術があった場合には、新館側の職員用入り口から患者さんに入室してもらうことになっています。

(注)コンクリートポンプ車
   コンクリートミキサー車からもらった泥状のコンクリートを
  ポンプの力で送り出します。
左手に見えている車は、コンクリートミキサー車
『はっけんずかん のりもの』(Gakken)より

2013年4月28日日曜日

わたしたちは大人になり切れているでしょうか?

今日は、さわやかな朝を迎えました

 昨日は、ゴールデンウィークの初日の土曜日でしたが、さっそく三件の臨時手術が入り、待機のM先生が活躍されました。
 おつかれさまでした。











 さて、今日は朝から内山興正さんの『正法眼蔵 八大人覚を味わう』(大法輪閣)を読んでいました。「正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)」は道元が書いた大部の書物で、その中にある「八大人覚(はちだいにんがく)」というのは、大人となるための八つの覚え書きといった意味です。

 この八大人覚の第一は、少欲です。無欲ではなく、少欲というところが仏教の面白いところです。必ずしも欲を否定はしていないのですね。

 幼稚園児は、いつも「あれが欲しい、これが欲しい」と愚図っていますが、大きくなって社会に出たら、欲しいものがオモチャやお菓子から、ただカネや名誉に変わるだけのこと。カネが欲しい、名誉が欲しいという気持ちは、人間多かれ少なかれ、あって当然。けれど、自分だけカネが欲しい、もっと名誉が欲しいというのでは、幼児と変わらないのです。
 


 家や車が欲しいと思ったときに、手元にお金がなければ、あきらめてしまうところが、やっかいなことに、現代社会ではローンという制度があります。つまり、ローンを組めば、欲の上限はどんどん上がってしまいます。

 しかし、欲というのは、物がいったん足りてしまうと満足できるものでもなく、さらに物を求める新たな欲が生まれてきます。そのために更にローンを組む…悪循環ですね。このように、何かを得て欲を鎮めるということはできません。欲は、欲を手放すことによってしか克服できないようです。

 むさぼるだけむさぼるという根性ではなく、少しでも譲る、欲を少なくするという自制心をもつ、これが大人の目だと、内山さんは言っています。

 だから、少欲というのは欲を少なくするというだけではなく、少なくした分(食べ物でもお金でも)を他人のために使うという姿勢を含んでいるのですね。



 と、そこまで読んだところで、今日は筍掘りに出かけました。桂坂中央のロータリーを下ったところにある竹林で、大きな筍を4本掘ってきました。

 わが家でこれだけ全部を食べられるわけもなく、「八大人覚」で、少欲を教えられたばかりだったので、当然のことながらご近所におすそ分けしました。

 少欲、少欲…南無阿弥陀仏






いちばん大きいのは6.6kgありました

2013年4月27日土曜日

「時」にはクロノスとカイロスとがある

 ギリシャ語には「時」を表すのに、クロノスとカイロスという二つの言葉があります。クロノスというのは、いわゆる時計の針がきざむ量的な時間。一方、カイロスというのは、一回限りの、一生のうちで二度とめぐってこない、まさに今このときという時間で、質的な意味を含んでいます。

4月25日撮影
たとえば、一昨日撮った元看護師宿舎の右の写真。












4月27日撮影

 今日見ると、建物はすでに半分なくなっていました。

 一昨日、写真におさめるのをためらっていたら、今後永久に元の建物の写真は撮れなかったわけです。
 まさにカイロスですね。









 ひとつの職場で昇進していくのはクロノスに従って待っていればいいのでしょうが、職場を変わるとなると、その時期をいつにするかというのは、まさにカイロスだと言えます。
 変わる気があっても、時期を延ばしている間に別の人物が採用され、定員が充足されて変われなくなるかもしれません。あるいは、現在の職場の事情で動きたくても動けないこともあるわけです。
 それに何より、数ヶ月先の命が必ずあるなどと誰が断言できるでしょうか?
 
 長年、日本で死生学を教えてこられた上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケン氏は、次のように述べています。


 「時間の貴重さを意識して、カイロスという唯一の機会をしっかりつかむことができれば、人間として一段と大きく成長することが可能です。深みのある、真に人間的な出会いも、このカイロスから生まれます。今までの時間意識を変革し、自分の人生のカイロスに対してためらわずに進む心構えが大切だ」と。
アルフォンス・デーケン『よく生き よく笑い よき死と出会う』(新潮社)より






 デーケン氏はまた、「人間はだれでも自分のおかれた状況の中で、真に大切な一つの可能性を選び取って生きなければならない」とも述べています。
アルフォンス・デーケン『ユーモアは老いと死の妙薬』(講談社)より





 そして、『旧約聖書』の中の、カイロスについて書かれた、以下のコヘレトの言葉が、デーケン氏のお気に入りなのだそうです。

 何事にも時があり
 天の下の出来事にはすべて定められた時がある。
 生まれる時、死ぬ時
 植える時、植えたものを抜く時
 殺す時、癒す時
 破壊する時、建てる時
 嘆く時、踊る時
 石を放つ時、石を集める時
 抱擁の時、抱擁を遠ざける時
 求める時、失う時
 裂く時、縫う時
 黙する時、語る時
 愛する時、憎む時
 戦いの時、平和の時

 (3章 1 - 8節)

2013年4月26日金曜日

病院で誕生日を迎えるということは

 今日は、研修医一年目のY先生の誕生日でした。

 人は誰もが一年に一度誕生日を迎えるものです。(うるう年の2月29日生まれの人は四年に一度の誕生日ですが…)
 病院に入院中の患者さんが、時として入院中に誕生日を迎えることがあります。さらに、その患者さんの誕生日が手術日になったりすることも稀にあります。
 手術室に入られた患者さんのカルテを見ていて、その日が患者さんの誕生日であると分かったときには、思わず「おめでとうございます」と言ってしまいますが、考えてみれば場違いな言葉ですね。


 いずれにしても、誕生日はめでたいので、今日はケーキを買って、夕方にお祝いをしました。でも、Y先生は、長時間オペについたので、お祝いの後もお仕事を続けておられました。
 
 長い人生、こんな誕生日があっても、よい想い出となるかもしれませんよ、Y先生。







 今日のお土産。

 いつも金曜日に来て下さっているO先生が、先日ベルギーのブリュッセルで開催された集中治療医学の国際学会に参加されたときのお土産を持ってきて下さいました。




一段目
二段目


 いろいろなチョコレートが三段重ねで、「無造作に」箱詰めされていました。
 日本では見かけないようなパッケージの仕方でした。
 味は文句なし。

さすが、チョコレートの本場、ベルギーのチョコレートでした。

三段目

 デザイン的に目をひいたのは、三段目の中央におかれたチョコレートでした。
 A部長によれば、これは数学の公式の一部なのだとか…
 O先生、ありがとうございました。

 ケーキとお菓子の話ばかりで盛り上がってしまいましたが、今日は、はるばる静岡の伊豆半島から、M先生が京都市立病院麻酔科を見学に来られました。誕生パーティあり、ベルギーのチョコありで、きっとびっくりされたのではないでしょうか?

 また、本日は、自動麻酔記録装置の改善のためのカンファレンスを業者と一緒に、約1時間かけて行いました。やはり、実際に使ってみると、ああした方がいい、こうした方がいい、という声が上がってくるものです。
 勝手な要求ばかりしているようでも、こうしたエンドユーザーの声は、次のよりよい製品へのヒントになるに違いありません。

2013年4月25日木曜日

朝の顔 昼の顔 夜の顔

 桜の木の季節による変化のほかに、一日の中の時間帯による変化もあることに気づきました。「遠目、夜目、傘のうち」という言い方がありますが、確かに夜の桜はぜんぜんイメージが異なっていました。(手前にある駐車場の照明灯が切れていて、病棟と廊下の明かりを背景に桜の葉がシルエットになっていました)
朝の顔
昼の顔
夜の顔

















 夜の桜を撮るために外に出ると、雲の向こうに月が見えました。明日が満月なので、雲を通してもけっこう明るい月でした。

月齢14.725

正面の建物が元看護師宿舎
 北の職員駐車場の西側にある元看護師宿舎の取り壊しが、いよいよ始まろうとしているようです。
 元看護短大の講堂の西にあるテニスコートにもパワーショベルが集結していました。
右手の建物が元看護短大講堂
パワーショベルが集結しているのがテニスコート
麻酔科で臨床研修を開始した一年目の研修医の先生方。今はまだ、点滴ひとつ、気管挿管ひとつとってもむずかしく感じているでしょうけれど、次の満月が巡って来るころには、ずっと成長していることでしょうね。





2013年4月24日水曜日

龍虎にも衣装

 今日は、終日雨でした。
 いつまでも降り止まぬ春の雨、といった風情です。

 雨に打たれて、葉桜の緑がいっそう深くなっていました。











 花の名は知りませんが、南駐車場の入り口にある白い花は、雨のしずくをたたえて、さながら宝石のようでした。
 雨の中の花も目を和ませてくれるものですね。

 今日は、オペ室で着るスクラブのサンプル第二弾。
 例によって試着して、にわかファッションショー。

 A部長は、ナースのSさんとペアルックになって、満面の笑み……?ん?


 麻酔科の龍虎と呼ばれる専攻医の二人は、パステルカラーのスクラブに大満足……なのでしょうね、きっと。

 今日のお土産。
 いつもお土産を持参して下さるM先生、今日はロイズフルーツバーチョコレートを差し入れて下さいました。


 いつもありがとうございます。

2013年4月23日火曜日

人の評価は定量的には表せない

 2006年以降制度化された卒後医師初期臨床研修では、マッチングで医学部生と研修病院との相性がまず判断されます。そして、小論文や面接を経て最終的に研修病院が決定されています。

 昨年は(ということはつまり、現一年目研修医の)選考面接官を初めて仰せつかりました。一度の面接で、学生の人となりを見抜いて、京都市立病院にふさわしい人物を選ぶ…などと考えただけで、こちらの方が緊張してしまいました。
I先生の第一印象はこんな感じでした

 医師2名、看護師1名、事務官1名で、研修希望者一人ずつと面接をしました。あらかじめ、聞くべき質問事項はいくつか決まっていて、4名の面接官で分担して質問をすることになっていました。
 去年の面接の一人目に当たったのが、実は、この4月から麻酔科で研修をしているI先生でした。いの一番の面接ということで、彼女も緊張していたでしょうけれど、面接をするこちらの方も正直ドキドキしていました。





 松井証券の代表取締役社長の松井道夫氏は、評価にあたっては、定量的に数字を積み上げるだけのスタイルを排して、面接を重視した、きわめて感性重視の手法で行っている、と言っています。率直に言えば「好き嫌い」に基づく評価なのだそうです。
 松井氏は「好き嫌い」で評価することについて次のように言っています。
 「そもそも、どんなに精緻な定量的・評価基準を導入したからといって、完璧に客観的な人事評価制度など存在しないのである。ある意味、評価とは実に感情的・主観的なものであると割り切ったということである。」
 (松井道夫『好き嫌いで人事』(日本実業出版社)より








 研修希望者の面接に臨むにあたっては、この松井道夫氏の考え方が支えになりました。要は、その人と一緒に仕事をしたいと思うかどうかで判断すればよいのだと、割り切れたのでした。

 今日のお土産。

 専攻医のM先生のご母堂が広島での学会に出席された折りに求められたお土産を、麻酔科にさしいれて下さいました。

粒あん、抹茶あん、こしあんの
三種詰合わせ


















もみじというよりやっこ凧のよう
二匹のシカの焼き印がかわいい



こしあん生もみじ断面












 生もみじまんじゅうというのは初めて見ました。食べてみると、餡を包んでいる皮が、少しもっちりした感じの生焼き菓子風になっているのでした。

 M先生のお母さま、ありがとうございました。

2013年4月22日月曜日

吾輩も猫である

葉桜の横に怪しげな足場が…
例の葉桜の横に、数日前から奇妙な足場が組まれています。どうやらこれは、エレベーターのようです。
 新館が建ちましたが、京都市立病院の改築計画はまだまだ進行中です。現在は、本館の2,3階と7階を改装するために、建物の西の端に人と器材を運び上げ、不要品を下ろすエレベーターが設置されたようです。




本館西端の足場
どうやらエレベーターみたい















 夕刻、桜の木の下でノラ猫を見かけました。立ち止まってカメラを向けているとすり寄ってきました。かなり人慣れした猫のようでした。


 このようにノラ猫が人にすり寄ってくるのは、エサをくれと言っている場合がほとんどなのですが、あいにく何も食べものを持っていなかったので、頭をこすりつけられても「ごめんね」とあやまるしか仕方ありませんでした。









 麻酔科医員室には、昨日のうちに新館の4室と廊下の様子を同時に映し出すことができるカメラモニターが設置されました。
麻酔科バトルシップのコクピット
部長曰く「これでバトルシップの完成じゃ!」

 確かに、医員室の一角は、まさに司令塔のモニタールームのようになりましたね。