2013年5月10日金曜日

緑のバッジは何かしら?

長時間の麻酔についてもペースを乱さない
M先生は心の中で歌っています。
「ゾウさん、ゾウさん、しゅーじゅつが長いのね〜」
9時間に及ぶ長時間手術の麻酔についていたM先生の名札のひもに、緑のバッジがついていました。よく見ると「看護の日」と書かれています。

 実は、今日10日から16日までは、看護週間。これは、5月12日のナイチンゲールの誕生日の前後に設けられる記念週間です。
 毎年、京都市立病院では、高校生を病院に招いて、看護体験をしてもらったり、日常の看護風景を写真のパネルで紹介したりしています。



 そして、看護の日に対する意識を市民に高めてもらうために、われわれ職員は、看護週間の間、この「看護の日バッジ」をつけることになっているのです。








 かつて、ナースの象徴としてナースキャップがありましたが、今はナースキャップを廃止する病院が増えてきています。それは、次のような理由によるようです。

 まず、ナースキャップはけっこう危険なのです。布製ですが、クリーニングから返ってくるとガチガチに糊付けされて、薄い板のようになっています。だから、病棟でのケアで、患者さんの体や顔に当たると、けっこう痛いし、ケガをする場合もあるようです。また、輸液ポンプなどの医療機器のボタンに当たれば、誤作動を起こす原因にもなりかねません。
2008年3月。某病院のナースステーションの朝の風景
ここでは、まだ、ナースキャップが健在でした。

 次にナースキャップはけっこう不潔です。ナースキャップを洗濯するのは、2週間からひと月に一度くらいの頻度なのだそうです。キャップは、頭髪に直接つけるため、皮脂や汗にふれて、表皮の細菌などで汚染される可能性があると指摘されています。

 さらに、ナースキャップをしているとけっこうはげるのだそうです。たいてい、同じ場所にヘアピンで留めているために、髪の毛がひっぱられて、その部分の頭髪が抜けてしまうのだそうです。
 "Nurse's cap alopecia"(International Journal of Dermatology, 1999)という皮膚科の雑誌に載った論文によれば、199人の健康な看護師のうち、7人(3.5%)に、ピンで固定されていた部分にはげが見いだされたそうです。

 この四月から、京都市立病院では、看護師のコスチュームとして、スクラブが導入されました。
 看護師の象徴よりも機能性が優先されるようになったようですね。
ナースキャップの3K
危険・汚い・毛が抜ける?