2013年3月25日月曜日

デスフルランが呼気一回換気量に及ぼす影響

 先日、ドレーゲルの新しいタイプのFabius Tiroには、デスフルラン使用時の補正ボタンがついているという話をしました。

 デスフルラン使用時には、実際の換気量に対して測定値が多め(12〜15%程度多め)に表示されます。この測定値を実際の換気量に近づけるために、新しいFabius Tiroには、「Des補正On」というボタンがつきました。

 なぜ、このような補正が必要なのかについて業者に質問したところ、次のような回答をもらいました。
中に細〜いフィラメントが見えます
Fabius Tiroの
熱線式フローセンサー













 Fabius Tiroの呼気ガス流量測定は、熱線式フローセンサーを用いて行われています。
 この熱線式フローセンサーは、もともと空気を用いて較正されているため、吸入麻酔薬が存在した場合には、流量を多めに評価してしまうらしいのです。セボフルランだと1〜2%程度で、測定値のずれはさほど問題にならないのですが、デスフルランでは、1MACが6%と高濃度で使用するために、差が大きくなるのだそうです。

 この補正式は、次式のようになっています。

     補正VT=表示されたVT ×( 100 − 2 × デスフルラン濃度 )/ 100

 つまり、デスフルランを高濃度で使用すればするほど表示された換気量と実際の換気量との差が大きくなってきます。

 ドレーゲルの麻酔器Apolloでは、デスフルランの濃度をフィードバックしながら、VTを補正して表示しています。しかし、Fabius Tiroでは、この補正式の中のデスフルラン濃度を4%に固定して計算しているので、濃度が4%よりも濃いときには、やはりVTは多めに出ていることに注意しなければならないそうです。



 今日のお土産。

ナースのKさんから、東京土産のシュガーバターサンドの木をいただきました。
 Kさんは、家族で東京ディズニーランドへ行き、東京ドームでプロ野球のオープン戦を観戦してこられたそうです。

 ありがとうございました。





なぜだか「しらすパイ」は昼のお菓子なのだそうな
また、研修医二年目のY先生からは、しらすパイをいただきました。
 Y先生は、静岡で開催されたウェット・ラボに参加され、全身麻酔をかけたブタを患者さんにして、腹腔鏡下胆摘の実習をされたそうです。

 ごちそうさまでした。