2013年3月16日土曜日

一週間が過ぎまして

 新棟への引っ越しから一週間が過ぎました。
 手術室では、新たに4室の手術室が増えて、失うものよりも得るものが多い印象がありました。

 病院全体では、この新しい新棟建設が、民間資金を活用して公共施設等の整備を促進するという、いわゆるPFI(Private Finance Initiative)を導入して行われたために、さまざまな分野で「刷新」がなされています。先に紹介した、コンビニや喫茶、食堂なども京都市立病院や京都市が決定したのではなく、新棟建設を担った民間企業によって選定されています。その他、病院の警備、清掃、リネンの洗濯等についても新たな業者が入ってきました。
 手術室の中から見ていても、まだ慣れない動きの中では、ゴミの回収やリネンの供給などの点で、戸惑いもあるようです。

キャスター付きのゴミ箱
けっこう重たい
以前の清掃業者で顔見知りになっていたMさんから、先週の水曜日に、突然「わたし、もう定年で、金曜日までですねん」と言われて驚きました。Mさんとは、廊下で会うたびに互いにあいさつを交わしていました。
 何だか中途半端な時期だなと思っていたら、Mさんだけではなく、以前の清掃会社の職員は、全員が先週の金曜日で京都市立病院を辞めることになっていたのでした。



南駐車場の北側にあるゴミ集積場
Mさんの最後の勤務日である先週金曜日、お礼のあいさつにうかがおうと思って、仕事の合間をぬって院内を探して歩き回り、長い迂回路の廊下では、待ち伏せるようにしばらく待っていました。しかし、皮肉なことに、いざ会おうとすると会えないものです。
病院のゴミはここで分別されます
北館の1階にある、清掃業者の控え室ものぞいてみました。八畳くらいの部屋で、四周の壁にはいくつものコートがかかっていました。コートを入れるロッカーは見当たりませんでした。Mさんの姿も見えず、聞けば集積場かもしれない、と言われたので、南駐車場の北側にあるゴミの集積場まで出かけました。長年病院にいるけれども、この場所を見たのは、これが初めてかもしれないということに、そのとき気づきました。
 Mさんとはそこでも会うことができず、手渡そうと思っていたお礼のお菓子を、控え室の同僚の方に託して帰りました。





 Mさんは、鳥打ち帽を前後逆さにかぶり、脊椎カリエスで90度近く曲がった背中で、重いゴミ回収車を押しながら院内の廊下を移動されていました。今後、その姿は、新棟の廊下で見かけることはかなわなくなってしまいました。