2013年3月17日日曜日

最後の当直の夜に

 
 京都市立病院手術室では、看護師が二名夜間の当直をして、緊急手術に対応しています。麻酔科の方は、今は、臨時手術が入ったときに呼び出される待機制をとっています。しかし、この四月からは、ウィークデーは当直体制をとることになりました。
 手術室不夜城計画が着々と進行中…?

直接介助中のTさん
ところで、手術室看護師のTさんは、昨夜が最後の当直でした。
 他院からの紹介で緊急手術が入り、彼女は直接介助で深夜2時過ぎまで働くことになりました。手術中は気がはって眠気も感じませんでしたが、終わってカンファレンス室に戻ってソファに腰を下ろすと、さすがに疲れが出たようでした。

手術が終わって、お片付け中
緊張がとけて、ようやく笑顔が出ました








 Tさんは、よく気のつく看護師さんです。たとえば、わたしたちがTIVA(完全静脈麻酔)でやりたいと言えば、何も言われなくても三方活栓をひとつ増やしてくれたり、出血が多くなりそうな手術だったら、ヘスパンダーを温蔵庫に入れておいてくれたり、という気配りができる方です。
 こちらの意図を思いやって仕事をしてくれるので、わたしたち麻酔科医としても一緒に仕事をしやすいナースの一人です。

 そういえば、仕事場で怒ったり愚痴ったりしている姿を見かけたことがありません。穏やかな笑顔ばかりが印象に残っています。

 そんな彼女は、四月からは新たなキャリアを積むために、兵庫県の病院に行ってしまいます。

救急室入り口。深夜2時


 臨時手術が終わって病院を出るとき、救急室の前に救急車が停車していました。緊急手術になるような症例でなければよいが、と祈りながら病院を後にしました。