2013年11月7日木曜日

インサイド・オブ・ザ・ボディ

 手塚治虫の『鉄腕アトム』「地上最大のロボット」という話がありました。プルートウという「地上で最強のロボット」が世界中で強いと言われているロボットと勝負をして、倒しながら自らの強さを証明して行くという展開です。

鉄腕アトム「地上最大のロボット」より

 アトムは、一度、プルートウに敗れてしまいます。そして、その後、天馬博士によって、アトムは10万馬力から100万馬力の体に改造されるのです。そのとき、横たえられたアトムの内部が透視されたようなかっこうで描かれている一コマがありました。その内部の複雑な仕組みを(おそらく)アトムの漫画の中で初めて見たときに、ひどく興奮を覚えたような記憶があります。

 最近は、学会に出かけても、エコーを用いた神経ブロックのハンズオンセミナーやエコーのデモをする機器展示場のブースがにぎわっています。本来、体表からは見えない神経でも、エコーを使うとその走行を手に取るように見ることができるので、麻酔科医たちもやはり興奮しているのでしょうか。

腋窩アプローチ
MGHテキストより

 毎週木曜日の夕方に行っている、MGHのテキスト'Clinical Anesthesia Procedures of the Massachusetts General Hospital'の読み合わせは、先週から、ちょうど'Regional Anesthesia'(局所麻酔)の章に入りました。
 そこで、本の文章を読むだけではなく、実際のエコーのプローベを当てて、神経を見てみようということになりました。














 Fm先生にモデルになっていただいて、専攻医のAk先生が腕神経叢を斜角筋間や鎖骨上、腋窩で描出しました。(Fm先生、モデルをありがとうございました。)
斜角筋アプローチ
経験豊富なMs先生がアドバイス

腋窩アプローチ
Fm先生:「うふっ、くすぐったいな〜」

 今はまだ、エコーの画像は二次元でしか描出できないので、実際にブロック針を進めるときには、針をエコーの走査面におさめるのに結構テクニックを要します。

右頭蓋底髄膜種の3D CT

 しかし、CT画像が、今では三次元に再構成される技術ができているので、近い将来には、エコーも三次元で描出できるようになるかもしれません。そうなったら、プローベを当てただけで、鉄腕アトムの内部をそのままのぞくような像が描けて、もっとワクワクするかもしれませんね。








今日のお土産

 今月から、京都市立病院麻酔科の常勤医として赴任されたMs先生は、昨日は終日、病院のオリエンテーションでしたが、今日は朝から手術室に顔を出されました。
Fm先生から電子カルテの説明を受けるMs先生
 Ms先生は、これまでいた病院では、交通外傷が多かったので上肢の神経ブロックも数多く経験されてきたそうです。今後は、肩や上肢のブロックについて、いろいろと指導していただけそうです。

 こちらに赴任される前に、Ms先生は、イギリスにご旅行をされていました。そのときのお土産で、ロンドンのダブルデッカーの形をした、可愛らしい缶に入ったクッキーを下さいました。
ありがとうございました。
なぜか、運転手さんはゾウさん…不思議なセンスですね