エジソンが発明したと言われているレコードの前身であるフォノグラフに始まり、LPレコード、オープンリールテープ、カセットテープ、CD、MDと推移してきた音の媒体は、iPodに至って、デジタル式記憶媒体となりました。
実は、わが家には、まだ、録音済みのカセットテープが何本も残っています。でも、カセットテープレコーダーがないので、これらのテープを聞くすべはありません。
ジャズに興味を持ちだした頃、LPレコードを買うお金がなかったときに、友だちが、自分の持っていたLPレコードを録音してくれたものだったり、先輩から借りたLPを録音したものだったりするので、なかなか捨てられないでいるのです。
バルタザール・グラシアンは、17世紀のスペインで活躍した著述家で、イエズス会の修道士だそうです。彼の残した著作は世界中で翻訳されて、多くの人々に愛読され続けています。日本では、2006年に『バルタザール・グラシアンの賢人の知恵』(ディスカバー・トゥエンティワン)として出版されました。
この本の中に、次のような項目があります。
堂々と退場する
堂々と退場することは、登場よりも重要だ。威風堂々と入ってくる人は、去るときはきっと惨めなはず。役者は誰でも登場したときに拍手で迎えられるが、満場の拍手喝采の中で退場できるのは優れた演技を見せた者だけである。最終幕後に残る印象こそが目指すべきもの。もしアンコールの声が湧いたら、それこそ実に素晴らしい、願ってもない結末だ。
また、こんな項目もありました。
斜陽の姿をさらさない
忘れ去られてしまうより、自ら去るほうがいい。華のあるうちに身を引くことが重要だ。太陽でさえも雲の陰に隠れると、沈んだのかどうかわからなくなる。引き際を見誤ることは雲の陰にある太陽と同じ。生きているうちに人々に葬り去られてはいけない。調教師はレースに勝っているうちに馬を引退させ、美女は美貌が衰える前に人前から姿を消す。
ウォークマンは、登場したときには「自分のお気に入りの音楽を持って歩ける。しかもステレオという良質の音で再生できるのだ」という華々しい評価で一世を風靡しました。まさしく、「威風堂々」と登場し、世界中の若者から「拍手喝采」で迎えられました。そして、しばらくは「優れた演技」を見せてくれました。
でも、CDから、さらにはiPodへと役者が変わり、カセットテープ・ウォークマンが姿を消したときは、誰もアンコールの声をあげませんでした。
確かに、カセットテープ仕様のウォークマンが今発売されても誰も手に取らないかもしれませんね。LPレコードには、今でも一部の愛好家がいて、根強い人気が持続しているのに、カセットテープはもはや過去の遺物になってしまったようです。
今日の逸品
京都府の南、相楽郡精華町光台にル・パティシェヤマダというケーキ屋さんがあります。
ここの半熟チーズケーキは、ベイクト・チーズケーキなのですが、ニューヨークタイプのようにしっかりした生地ではなく、かといってレアでもない独特のふんわりとした生地です。大きさも縦6cm、横4cm、高さ3cmと可愛らしいのですが、一口で食べてしまうのがもったいない味です。
「ひかり台 はんじゅくちーず」 このロゴは昔から変わっていません |
お店の右手には喫茶室もあって 好きなケーキを店内で食べることができます |