O先生の最近の作品 彩色前のサンジ・ルフィーと 彩色済みのチョッパー |
先日は、石膏をワンピースのキャラクター型に流し込んで、水彩絵の具で彩色したマスコットを作られました。仕上げには、透明のマニキュアを使っているとのことでした。
マンガの絵をデフォルメして ほぼ二頭身くらいになっていますね |
今、京都市立病院内のそこここには、「全国安全週間」のポスターが掲示されています。全国自治体の、いわゆるゆるキャラを「0」の文字の上に重ねたデザインです。
このゆるキャラが現れたのは21世紀に入ってからでしょうか?ゆるキャラと命名したのは、漫画家・エッセイストのみうらじゅんさんだそうです。みうらさんは、2004年に『ゆるキャラ大図鑑』という本を出していますが、ここでは、自薦した全国のゆるキャラ100選が紹介されています。
みうらさんによれば、ゆるキャラの定義は次のようなものです。
みうらじゅん『ゆるキャラ大図鑑』(扶桑社2004年) |
「ゆるキャラとは全国各地で開催される地方自治体主催のイベントや、村おこし、名産品などのPRのために作られたキャラクターのこと、特に着ぐるみとなったキャラクターを指す。日本的なファンシーさと一目見てその地方の特産品や特徴がわかる強いメッセージ性、まれには、郷土愛(ラブ)に溢れるが故に、いろんなものを盛り込みすぎて、説明されないと何がなんだか分からなくなってしまったキャラクターもいる。キャラクターのオリジナリティもさることながら、着ぐるみになったときの不安定感が何とも愛らしく、見ているだけで心が癒されてくるのだ」そうです。
ことに、最後の「癒し」というのがけっこう大きなウェイトを占めているようです。
では、この「癒し」感は、一体どこから出てくるのでしょうか?
先のO先生のワンピースのキャラクターでは、実際のマンガの姿よりも頭が相対的に大きくデフォルメされています。この[頭:体比]を変えるだけで、「癒し系キャラ」になるようです。すなわち、二頭身から四頭身あたりが第一条件のようです。四頭身というのは新生児の体型ですね。赤ちゃんのような姿は自然と癒しの対象となるのでしょうか?
ドイツ人(Detlf Kersten)による赤ちゃんのイラスト |
次に、目。けっこうパッチリと大きな目のキャラクターが目立ちます。しかし、目の大きさは「可愛さ」の表現にはなっても「癒し系」にはならない場合もあります。それよりも、けっこう大事なのが目と目の幅です。これが広いと、「どことなく癒されるわ」という印象をもたれるのではないでしょうか。
アメリカ人(Joy Sikorski)によるネコのイラスト 目は小さいけれど、目と目の間が広いので 「癒し系」になっているようです |
2000年NEW!わかふじ国体当時のふじっぴー みうらじゅん『前著』より |
最近のふじっぴー 口角は左右対称 |
たとえば、静岡県のゆるキャラのふじっぴーは、当初、左の口角の方がつり上がっていました。これは、やはり、日本一の山である、ということを自慢しているように受けとられてもしかたがないような「笑顔」なのです。
その後、口元が左右対称にあがったふじっぴーも現れ、ふじっぴーに他意はなかったことが証明されました。
以上、要約すると、ゆるキャラのデザイン上の特徴は、
- 四頭身〜二頭身である
- 目は大きい、かつ/または、目と目の間が幅広い
- 口元は左右対称形の笑顔である