2012年12月23日日曜日

The First Successful Kidney Transplantation

  1954年の今日、アメリカのピーターベントブリガム病院で、一卵性双生児の兄弟間の生体腎移植術が行われました。組織適合性にはまったく問題がなかったので、この腎移植は成功しました。
 この腎移植の最初の成功例を描いた絵があります。ジョエル・バブという画家による、'The First Successful Kidney Transplantation'です。




麻酔 Vol.50 No.2 p.205より

 この絵が描かれた経緯はちょっと面白いのです。
 
 1995年の春に、この腎移植術に直接関与した三人の医師、外科医のマレイとムーア、そして麻酔科医のヴァンダムが集まって、40年前の「最初に成功を収めた腎移植術」の場面を絵にして残すことを検討しました。
 画家のジョエル・バブは、自らの創造ではなく、手術室のセットまで組まれた上、何度も集まった関係者の記憶からいろいろ注文をつけられて、この絵を描き上げたそうです。




 写真の右端に立っているのは、1997年当時のヴァンダム博士です。1954年のヴァンダム博士は、絵の中央やや右よりに座ってレシピエントの麻酔をかけています。麻酔法は、患者にとっていちばん安全と思われた脊椎麻酔でした。廊下をはさんだ向かい側の手術室でドナーから摘出された腎臓をトレーに入れて、外科医のムーアが慎重に運んでいます。右のドアの外では、関与した内科医や病理医が手術の成り行きをうかがっています。
 この腎移植術が最初の移植成功例となることは、この手術が行われた時点ではまだ知られていませんでした。だから、手術室の上にのぞき窓のある見学用バルコニーには観衆の姿はありません。

 後日談として、レシピエントに移植された腎臓は機能し続け、患者は入院中に知り合ったナースと結婚して、父となり、テレビ・ラジオの技術者として働き続けたと伝えられています。



 ところで、今日は全国高校駅伝の日でもありました。













 男女のコースは図の通りなのですが、西大路五条を復路で曲がるとき、京都市立病院がテレビ中継に映ります。もっとも映ると言っても、南駐車場の植え込みあたりしか見えないのですが…
  この写真で見ると画面中央上の方に見える植え込みがそれです。
 西大路五条の南西の歩道あたりで応援すると、テレビに映るかもしれませんね。






 結果は、女子は立命館宇治(京都)が、5年ぶり三度目の優勝。男子は豊川(愛知)が初出場初優勝となりました。