2012年12月4日火曜日

菓子職人のロールケーキと麻酔

新棟の工事車両も重機がめっきり減って、今は内装のための搬入が増えてきているようです。

 写真の右側に見える建物は、先代の手術室(平成4年3月まで稼働)です。今は、中を改装して、部長室として利用しています。





 工事現場の周囲の目隠し塀には、京都市立芸大の学生さんたちの作品がプリントされて、歩道を歩く人の目をなごませてくれています。
 この絵を眺められるのも、あと少しになってしまいましたね。








 今日のオペ室は、臨時が一件入りましたが、比較的順調に終わりました。で、帰りに『菓子職人』に寄って、焼きチーズを買い求めました。

 『菓子職人』は、京都市立病院から歩いて10分ほどのところにあるケーキ屋さんです。麻酔科にお客さんが来たときなどに、よく買い出しに行ったりしています。
 ここのケーキはどれもおいしいのですが、プレーンのロールケーキが別格です。以前、これをお土産にしたとき、「スポンジの生地が口の中で溶けてなくなるみたい」と表現したナースがいました。
 このロールケーキ、次第にバリエーションを増やして、チョコレートだの栗だの抹茶だのサクラだのといろいろ創作されましたが、混ぜものをすると、生地のフワフワ感が減ってしまうので、やはりプレーンの生地が最高です。

 麻酔も同様なのだと思います。複雑な薬剤をいくつも使うと、いかにも善い麻酔をしているかのように思われがちですが、必要最小限の薬剤を使って、最良のアウトカムを目ざすのが、患者さんの体への影響という点からも医療経済的観点からも「善い麻酔」と言えるのではないでしょうか?
 Minimal Pharmacologyという言葉を研修医の頃に教わったのを、『菓子職人』のプレーンロールケーキを見ながら思い出しました。