今日は、昨日と打って変わって、寒い一日となりました。京都周辺の山々には雪が積もりました。この先、気温はぐんと下がるとのことで、天気予報では、クリスマス寒波が来るよと言ってました。
キリスト教では、待降節といって、クリスマス前の約四週間を祝う行事があります。この時期に、1〜24ないし25という日付のついたカレンダーに、毎日お菓子などが入れられたアドベントカレンダーと呼ばれるカレンダーがあります。
子どもたちは、毎日その日の日付のお菓子を出して、クリスマスが来るのを心待ちにします。今日は、かわいらしいチョコレートが出てきました。
このアドベントカレンダーでは、日付はだんだん少なくなっていくのですが、日々の麻酔記録は、日を追う毎にたまっていきます。
このアドベントカレンダーでは、日付はだんだん少なくなっていくのですが、日々の麻酔記録は、日を追う毎にたまっていきます。
最近では、電子カルテの中に麻酔記録が取り込まれるので、この棚にあるような麻酔記録のファイルはいらなくなりました。でも、京都市立病院麻酔科には、まだまだ昔の紙の麻酔記録が保存されています。古くなったものから処分をしているのですが、イソフルレンを使っていたころやエトレン、ハロセンと書かれた麻酔記録に、今は偉くなられた先生方の名前を見つけたりして、ニンマリすることもあります。
さて、今日のナゾは、商品名の由来についてです。
ラリンジアルマスクを挿入するときには、リドカインを含んでいない潤滑剤(ゼリー)をマスクの背面先端につけることが推奨されています。で、京都市立病院麻酔科では、リドカインを含んでいないゼリーとして、この「ヌルゼリー」を採用しています。
問題はこの「ヌル」というネーミングです。ナースに聞くと、5人中5人が「塗るからでしょう」と答えます。でも、「キシロカインゼリー」だって塗るのです。
よく見ると、横文字の綴りは「Null-Jelly」となっています。
Nullというのは、英語では「無効な」とか「無価値な、空虚な」という意味になって、これだと「このゼリーには価値がありませんよ」と言っているみたいで、商品のネーミングとしては、何か変ですね。
そこで、発音に注目してみると、英語ではnullは、[ナル]と発音します。この綴りを[ヌル]と発音するのはドイツ語で、ドイツ語の意味では「ゼロ」という意味になります。ネーミング会議の議論を想像するに、大学時代にドイツ語を少しかじった社長が「リドカインが入っていないという意味をこめてnull-jellyというのはどうかね?」と言うと、腰巾着の部長あたりが「それは、またしゃれた名まえでげすな」てなことを言って決めたのではないかしら?