2013年9月6日金曜日

鶏口となるも牛後となるなかれ

 台風一過。京都は、台風17号のもたらした雨にたたられましたが、今朝は、澄みわたった空に、秋の雲が広がっていました。


 1年目研修医のKw先生は、今日が麻酔科研修の最後の日でしたが、午後から臨時で入った手術にHm先生と一緒に入って、最後まで麻酔を担当して下さいました。
 おつかれさまでした。








 Kw先生が担当した最後の患者さんは、人工ペースメーカーを装着されていました。ペースメーカーを使用されている患者さんでは、手術のときの電気メス(モノポーラー)の影響で、誤作動することがあるので注意が必要です。

 ペースメーカーの本来の意味は、先頭に立ってペースを作る走者のこと。転じて、人に模範を示す主導者、といった意味になっています。
 心筋細胞は、バラバラにして置いておいても、個々の細胞が拍動をしています。最初は個々の細胞の拍動は同期しておらず、まちまちです。やがて、バラバラになった細胞のうち、拍動がいちばん速い細胞のテンポに合わせて、他の細胞がテンポを合わせてきます。このようないちばんテンポの速い心筋細胞をペースメーカーと呼んでいます。

 一方、いくつかの作業工程の中で、処理速度がいちばん遅い工程を、ボトルネックと呼ぶことがあります。たとえば、ひとつの製品を仕上げるのに、A→B→C→Dという4つの工程があったとします。1時間に処理できる製品の数は、行程Aでは10個、工程Bでは50個、工程Cでは2個、そして工程Dでは20個だとします。すると、Aで作られた製品は、Bに移ると、即座に処理されてしまいます。しかし、どんなに沢山の製品を作っても、Cでの処理速度が2個/時なので、全行程の処理速度は、結局、工程Cによって決まってしまいます。
 このCのような工程をボトルネックと呼んでいます。
 Bががんばって製品を処理しても、 工程Cの前には、やがて製品が山と積まれてしまいます。

 古くからのことわざに「鶏口となるも牛後となるなかれ」というのがあります。これは、大きな組織の中でしんがりになるより、たとえ小さな組織であっても、その中でみんなをひっぱるリーダーになれ、といった意味合いです。これを現代風に表現すると、「ペースメーカーとなるもボトルネックとなることなかれ」といったところでしょうか?

今日のお土産

Ar部長から、鹿児島県のお土産をいただきました。
ありがとうございました。