ヒガンバナは、田んぼの畦でよく見かけます。ヒガンバナの茎には有毒なアルカロイドが含まれています。ネズミや虫など田を荒らす動物がその毒を避けるように、という意図で、田んぼのあせなどに植えられているのだそうです。
さて、今日は山科区にある、京都大学花山(かざん)天文台の特別公開に参加しました。花山天文台は、2013年1月に、京都市の「京都を彩る建物や庭園」に選ばれました。これを記念して、今年は9月16日から20日まで、花山天文台が一般公開されています。
先月応募していて、今日の一般公開が抽選で当たりました。
今日は月齢14で、中秋の名月の前日でしたが、雲ひとつない晴れた空に明るい月がかかっていました。この月を、18cm屈折望遠鏡の「ザートリウス望遠鏡」と45cm屈折望遠鏡で眺めました。
花山天文台 左のドームが別館。右のドームが本館。 本館手前の建物が歴史館です。 |
本館の前に置かれた望遠鏡で観測会 |
また、野外では、ちょうど西の空に輝く金星の上にある土星を望遠鏡で見せてもらいました。少し傾いた土星の輪が見えました。この目で土星の輪を見たのは、初めてでした。
ザートリウス望遠鏡 現役の望遠鏡では 日本最古の望遠鏡だそうです |
45cm屈折望遠鏡のある本館から 月を望む |
この花山天文台の台長は柴田一成先生です。以前、京都府医師会が主催した講演会で、柴田先生が研究されている太陽の話を聞いたとき、ふだん私たちが見ている太陽とはまったく異なる太陽像を教えていただいて、興奮したことがありました。可視光で見る太陽では、せいぜい黒点しか観察できないのですが、軟X線やHα線で観察した太陽の姿は、猛り狂う野獣のように荒々しい姿をしていました。
柴田一成『太陽の科学 磁場から宇宙の謎に迫る』 (日本放送出版協会) |
太陽から発せられた電磁波は地球にまで到達し、オーロラを見せてくれたりもするのですが、高電流を発生して広範囲の停電の原因となったりもするのだそうです。この太陽からの電磁波は太陽表面を観察していると、ある程度予測ができるようになってきました。ここから生まれたのが「宇宙天気(space weather)」です。この「宇宙天気」は、1993年に、次のように定義されました。
「宇宙と地上の諸施設の性能、信頼度に影響を与え、また、人命に危険を及ぼす太陽から超高層大気に至る領域の状況」
柴田先生は、この「宇宙天気」の研究で一般の新聞にも紹介されるようになってようやく、自分の研究が社会に役だつものだったと奥さまに認めてもらえたと講演会で語っておられました。
東山から昇った月 |
花山天文台の公開時は、灯籠がそこここに置かれています。 右手の白い建物は歴史館です。 |