2013年6月27日木曜日

Herzlich Willkommen, Dr. Pühringer !

 雨上がりで、朝から快晴になりましたが、湿度は高く、蒸し暑い一日となりました。

 今日は、午後からドイツの麻酔科医ピューリンガー先生が、京都市立病院の手術室を見学に来られました。180cmを超える巨漢で赤ら顔だったため、後からナースに聞くと、普通に会話していても、まるで、われわれが怒られているかのように見えたらしいです。
 ピューリンガー先生は、デスフルランを安全に使用するために、これまで臨床において経験されたことをもとに、「黄金の24ルール」というのを提唱されています。つまり、デスフルランを使用するときには、[キャリアガスの総流量×デスフルランの気化器の目盛り]が24以下であれば、頻脈や高血圧などの有害事象を起こさない、という経験則です。

O先生の麻酔導入を見守るピューリンガー先生(左)
ちょうど、導入中の手術の見学に入られて、M先生と研修医のO先生に、デスフルラン麻酔の実際をデモンストレーションして下さいました。このとき、強調されていたのは、上の24ルールを守りつつ、速やかに呼気ガス中のデスフルラン濃度を4.5%〜5%にもっていくことでした。ピューリンガー先生は、BISモニターに頼らずとも、呼気ガス中のデスフルラン濃度が4.5%〜5%程度であれば、術中覚醒の心配は全くいらないと言っておられました。
 ただし、彼は、どんな手術においてもデスフルランを単独で使用することはなく、必ず、フェンタニルやレミフェンタニルなどのオピオイドを併用するそうです。つまり、デスフルランは、鎮静・意識をとるだけの効果しかない、とのことでした。

Das gefällt mir sehr gut !


 手術室でのインストラクションの後、S先生が、お薄と茶菓子で、ピューリンガー先生をもてなして下さいました。
 S先生は、今日はわざわざ茶の湯の道具と祗園・甘泉堂の水ようかんを持参して下さいました。
 S先生、ありがとうございました。






 お茶を点てて下さったのは、現在麻酔科ローテーション中のO先生。彼女も茶道をたしなんでおられました。茶を点てている姿が珍しかったのか、その姿をピューリンガー先生はカメラにおさめておられました。


 夜は、グランヴィアホテル京都でピューリンガー先生の講演会があって、京都市立病院麻酔科からも8名が参加しました。