2013年6月5日水曜日

シンクロニシティと柳生家家訓

 新館の四つの手術室には、室全体を俯瞰するテレビモニターが設置されています。

 以前のブログの記事で、この監視モニターのことを書きました。そのときは、スティングの’I'll be watching you’(見つめていたい)という曲を引いて、麻酔科医を常時監視されるのでストレスになるのではないか、ということを書きました。
 しかし、4分割画面で、各室のヒトの動きを見ていると、’I'll be watching you’という曲よりも、同じくスティングの’Synchronicity’(シンクロニシティ)という曲が浮かんできました。これは、スティングのポリス時代最後となった、同名のアルバムの中にある曲です。
ポリスのラストアルバム
シンクロニシティ

 シンクロニシティとは、もともとはユングが提唱した概念で、「意味のある偶然の一致=共時性」のことを言うそうです。一見、何の因果関係もないのに、偶然いくつかの出来事が意味やイメージにおいて類似していたり、似通っているときにシンクロニシティが作用していると言います。






 日常の生活の中で、わたしたちは色んな縁に遭遇しています。ひょっとしたら、その縁は、シンクロニシティのおかげでできた縁なのかもしれません。因果関係がないからといって、その縁を見過ごしていたら、大きなチャンスを逃してしまうかもしれません。

 徳川家の兵法指南役であった柳生家の家訓に、次のような言葉があります。

「小才は縁にあって縁に気づかず、中才は縁にあって縁を活かさず、大才は袖触れ合う他生の縁もこれを活かす」(つまらぬ人間は、絶好のチャンスに出会っても気づかず、並の人間は、チャンスに気づいても、それを活かすことができない。しかし、才能のある人間は、どんなに小さなチャンスでも、それを活かすことができる)

 すると、偶然の一致のような日々の出会いに意味を見いだし、シンクロニシティが作用しているととらえられるかどうかは、こちらの気持ちのもちよう次第だとも言えそうですね。

今日のお土産
O先生が、ご自宅の庭で収穫したビワを持ってきて下さいました。ちょっと酸味のあるさわやかな甘さでした。
正真正銘無農薬のビワなのだ
ビワの実が熟してくると、カラスが実をつつきに来るのだそうです。カラスから実を守るためには、ビワの実のまわりに、ひとつひとつ保護ネットをつける必要があります。O先生は、時にビワの木によじ登り、蚊に手足をくわれながら、ネットかけをして育てたそうです。
 おかげさまで、おいしいビワができたようです。

 ありがとうございました。
わたしが・育てた・ビ・ワ♡