2013年1月20日日曜日

空気でも管を通れば摩擦がおこる


チンダル現象で白く見える太陽光
今日は、暦の上では大寒でしたが、3月上旬の気温ということで、穏やかな日になりました。空は雲が多く、雲間から太陽の光の筋が見えていました。これはチンダル現象(Tyndall effect)と呼ばれています。
 太陽光が雲間から出てくるときに細い筋状になると、その途中にある空気中の粒子によって散乱(ミー散乱)という現象がおきるので、白い筋が見えるのだそうです。






 陰嚢水腫やベーカー嚢腫の表面にペンライトを押しつけて光を当てると、水腫や嚢腫の場合は、全体がボーッと赤く光ります。これも散乱による現象です。体液は粒子成分が多いので、線状には見えません。多重散乱しているために全体が光るのです。

 簡単な実験をしてみました。
右側は真水。左側は牛乳を一滴垂らした水。
右方からLEDライトを当てています。

 ペットボトルに水を入れたもの(右)と、水に牛乳をほんの少し垂らしたもの(左)を並べて、右側からLEDのライトを当てました。
 すると、真水ではLEDの光の筋は見えません。でも、牛乳を少し垂らした方は、光の筋が見えますね。これがミー散乱で、チンダル現象と呼ばれるものです。

左側の水に加える牛乳の量を少し増やしてみました。
すると、ペットボトルの水全体が白く光って見えます。







 さらに、水に垂らす牛乳の量を増やしてみると、ペットボトルの中の水全体が光って見えますね。これが多重散乱です。


京都アクアリーナのスケートリンク










 今日は、西京極の京都アクアリーナへ、スケートをしに出かけました。かつては京都市内に数カ所あったアリーナも、今はこのアクアリーナひとつだけになってしまいました。
 氷の上は、摩擦係数が小さいためによく滑りますね。
 空気のような流体でも細い管の中を無理矢理通ろうとすると摩擦が起こって、抵抗を生じます。







 全身麻酔では、気管チューブなどを介して大人でしたら、一回に400〜500ccものガスをベンチレーターで体に送り込んでいます。このガスを通す気管チューブの内径は、7〜8mmです。健康な肺ならば、10〜15cmH2O程度の圧力で、この程度の換気ができます。
 では、この管の直径が半分(つまり3.5〜4mm)になると、気管内チューブをガスが通る抵抗は何倍くらいになるでしょうか?

 2倍?4倍?…否々、直径が半分になると、ガスが通るときの抵抗は、何と16倍にもなるのです。管の長さや、ガスの粘度などは、2倍になっても抵抗は2倍になるだけなのですが、管の径だけは、4乗のオーダーで影響してくるのですね。
 これは、血液のような液体でも同じことが言えるので、早く輸血をしたいときには、血液バッグを高くささげ持つよりは、できるだけ太い留置針で、血管確保をする方が有効なのです。