「坂本竜馬は、自由で平和な日本、そして海外に対抗できる強い日本を目的としてビジョン(展望)に掲げました。そのための最適な手段は何かを知恵を出して考え、行動に移した」のだと、西村克己氏は『竜馬塾』(海竜社)の中で述べています。
諸外国に侵略されるスキを与えないよう、彼は、あえて犬猿の仲であった薩摩藩と長州藩との間に同盟を結ばせました。その際に、両者のプライドを刺激しないように、両藩の間の経済交易という提案をするために、亀山社中を作り、交易の仲介役としたのでした。
「知恵を出せば最適な手段は必ず見つかるはず。常に目的を見失わないこと、そして目的のための手段にある程度の柔軟性をもたせることが大切。手段は臨機応変に、最適なものを選択するという考え方が、何事かを成功に導くためには大切なのです」と、西村氏は分析しています。
突拍子もない話のようですが、ひとつの病院の手術室あるいは麻酔科というものを考えてみましょう。
たとえば、「自由で平等な手術室あるいは麻酔科、そして他の病院に対抗できる強い手術室、麻酔科」というのを目的として掲げたときに、どういう手段が最適でしょうか?
今や死語となりつつある「大学の関連病院」という考え方にしばられてしまうと、院長自ら大学の麻酔科教授に頭を下げに行く、という手段しか思い浮かばないのではないでしょうか?しかし、果たして、ほんとうにそのような卑屈な姿勢で、先のような目的を達成できるでしょうか?
逆転の発想で、「京都市立病院の関連大学」という考え方をすれば、全国にいくつもある大学がスタッフ供給の候補としてあがってくるのではないでしょうか?
否否、今や、そのような縛り縛られるという関係自体、色あせつつあるようです。
働くスタッフが充実して仕事ができ、研修医専攻医がのびのびと学び、育っていけるような京都市立病院を築き上げること、その目的を達成するために、もっと自由な人の往来を作ることこそが、病院組織の活性化にもつながるように思われます。
今日のお土産。
今日で二ヶ月間の二年目麻酔科研修を終えたK先生が、ヴィタメールのチョコレート菓子を置いていって下さいました。二ヶ月間お世話になりました。ありがとうございました。