2013年5月9日木曜日

一期一会の茶の湯と麻酔

 毎週木曜日に来て下さっているS先生は、今日も不二家のカントリーマアム香り抹茶を差し入れて下さいました。チョコやバニラでなく、いつも抹茶なのです。

 よほど抹茶がお好きなのだと思っていたら、この抹茶味のカントリーマアムを監修されている茶道家の木村宗慎氏は、実はS先生の茶道の先生なのでした。

 だから、街で香り抹茶のカントリーマアムを見かけると、つい買ってしまうのだそうです。








 S先生は、奥さまが茶の湯をされていて、五年前から自らも茶道を始められたそうです。木村氏は、お菓子の監修ばかりでなく、茶室のデザインもされてデザイン賞を受賞するなど、新進気鋭の若手茶道家であると、菓子袋の裏に紹介文が載っていました。






 

 茶道の世界に一期一会という言葉があります。
 「一生にただ一度だけの出会い」という意味ですが、もともとは、「茶会に臨む際は、その機会を一生に一度のものと心得て、主客ともに互いに誠意を尽くせ」という茶会の心得だったそうです。
S先生愛用のカップ
おうすのお茶碗ではありませんでした

 麻酔でも同じような姿勢が求められるのではないでしょうか?
 毎日のように点滴をし、動脈ラインを入れ、挿管し、輸液し、抜管し…数を重ねる毎に、毎日同じ事をくり返しているように思えてきます。しかし、よくよく考えてみれば、ある日のある患者さんの麻酔というのは、一生に一度の出会いであるわけです。
 それは、他の誰でもない自分の人生の一瞬と患者さんの人生の一瞬が交わる唯一の瞬間なのです。この一瞬に、わたしたち麻酔科医は誠意をこめなければならないのですね。
 まさに一期一会です。

 帰りに2階のコンビニをのぞくと、木村宗慎氏監修のLOOK抹茶のムースも見つかりました。