あいにく、昨日からの雨が少し残り、厚い雲が空に低く垂れこめる天候でしたが、雲間からは、少し陽がさしたり、青空も少しのぞいていました。
いつもは大勢の観光客と車で、路面も満足に見えないくらいの嵐山ですが、さすがに午前6時前は静かです。
店も露店も閉まっていて、俗は陰をひそめています。
渡月橋の傍らでは、散りゆく桜をカメラにおさめようとしているアマチュアカメラマンがちらほら見え、犬と散歩する人が渡月橋を渡るばかりでした。
渡月橋は微妙な凸のカーブを描いています。嵐山をバックにした渡月橋も美しいのですが、大堰川の上流から見た方が気に入っています。
散った桜の花びらが、昨夜の風雨で地面に波状の文様を作っているのもまた風流でした。
孟浩然の「春暁」という漢詩を思いうかべました。
春眠 暁を覚えず
処々 啼鳥を聞く
夜来 風雨の声
花落つること知らず多少ぞ
(春の夜は心地よい眠りのために、明け方になっても目がさめない。
あちこちから鳥の声が聞こえてきた。
昨夜の風雨ではどれほどの花が散ったことか。)