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Y先生作心室断面図 |
今日は、仕事で遅くまで病院に居残っていた一年目研修医のY先生に、上の質問をしてみました。
そこで描いて下さったのは、右のような断面図でした。
しかし、実際の心臓を心室レベルでスライスしてみると、下のような感じになっています。一見して、左心室壁は厚くて、右心室壁は薄っぺらですね。極端な言い方をすれば、心臓は、ほとんど左室で構成されていて、右室は、左室の外側に申し訳程度にへばりついているようです。
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和田敬『ステレオ式心臓病のABC』(南山堂)より |
Y先生のイラストでは、左室の壁の厚さと右室の壁の厚さがほぼ同じに見えます。心臓は、血液を送り出すポンプの役目をしています。右室は、肺を循環させるだけでよいのですが、左室は頭の先から足の先まで全身に血液を送らねばなりませんから、当然左室のポンプの方が強力でなければなりません。
肺動脈圧は収縮期で15〜30mmHgで、上腕で計った血圧の約5分の1程度です。この圧差が、心室の壁の厚さにも反映していて、左室の壁は右室の壁よりも5倍程度厚くなっているのですね。
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M先生作心室断面図 |
さすがに、卒後二年の研修を終えると、イラストも実像に近くなってくるようですね。
そういえば、小腸造影中に偶然「発見」したハート型の写真を、前放射線科部長のH先生から見せてもらったことがありました。心臓を象徴的に描くときには、左右対称形になるようですが、こうした先入観が心臓の実像とのズレを生んでいるのでしょうか?
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小腸造影中に偶然 「発見」されたハート |
(何と、今日の写真はすべてモノクロでしたね)