2013年10月31日木曜日

硬膜外穿刺の間もバイタルに気を配るためには

 京都市立病院新館に新しく作られた手術室は、画像システムが充実しています。

 天井から吊り下げられたモニター画面の画像は、麻酔の生体情報モニター、術野カメラ、顕微鏡や内視鏡の映像、電子カルテから開いた画像など、任意の画像を任意のモニターに呈示することができます。
硬膜外穿刺を左側臥位で行う場合、モニター画面は、
麻酔科医の左手にあって画面が見づらくなります。

 たとえば、硬膜外穿刺を左側臥位で行う場合、麻酔器と生体情報モニターは、麻酔科医の左手に当たる場所に置かれるので、穿刺中のバイタルなどが確認しづらくなっています。

 






正面の吊り下げモニターに患者の生体情報を
呈示すると、首をひねらなくても画面が見えますね




 こんなときに、穿刺をしている麻酔科医の正面にある吊り下げモニターに患者の生体情報をリアルタイムで表示すれば、麻酔科医は首を左にひねって見づらいモニター画面をのぞきこまなくてもその都度、患者のバイタルサインを参照することができます。
 これは確かにありがたいですね。














壁面の大型モニターでは、外科医が電子カルテの画像を
見ながら、術直前カンファレンス中

















 さて、二年目研修医のSb先生は、今日が麻酔科ローテーションの最終日となりました。明日からは、精神科の研修が始まるのですが、精神科の研修は、他病院で行われるため、11月1日が初日となるからです。
 最終日には部長から評価をしてもらうのですが、すべてA判定をもらったSb先生は、思わずピースサイン。
Sb先生、麻酔科研修、お疲れさまでした!

 この初期臨床研修での評価には、実は二種類あります。すなわち、形成的評価総括的評価です。形成的評価(Formative Evaluation)とは、テーマ(研修単位)の目標を修得しているか否か、つまり研修中にその形成過程の改善を目的とする評価です。その結果は、研修医の学び方や指導者の教え方を是正して、研修内容改善へのフィードバック資料とされます。
 一方の総括的評価(Summative Evaluation)は、達成された研修成果の程度を総括的に把握するための評価で、通常、全プログラムの終了した時期に〈合否や及落判定のために〉行われます。従来わが国の医学教育で行われてきた試験の大部分はこれに当たります。
 総括的評価だけで学科の研修目標に到達したか否かを判断すると、「一夜漬け」で合格点を取るような研修医が出てくるかもしれません。それに対して、1研修単位ごとに形成的評価からのフィードバックを受けながら研修すると、その後、研修内容を忘れていくスピードもゆっくりするだろう、と考えられています。