2013年10月8日火曜日

パロディと物真似の間の距離

 昨日のブログは、「二条河原落書」のパロディ…のつもりで書きました。

 実は、「二条河原落書」は、高校のときに、そのさわりを読んだだけで、全文を読んだことはありません。ただ、冒頭の「このごろ都にはやるもの」という文句と五七調のリズムが印象に残っていました。

 パロディになるには、「オリジナルへの敬意を払っているか、風刺的な表現になっていることが必要」なのだそうです。単なる口調の真似では、物真似の域を出ていません。

 手元に、二枚のCDがあります。どちらもビートルズの曲をカバーしたものです。一方は、さまざまなアーティストがビートルズの曲をレゲエ調で歌ったもの。もう一方は、ビッグ・ダディというグループが、ビートルズの《サージェント・ペバーズ》のアルバムを丸ごと造り替えたもの。

 レゲエの方は、CDのジャケットこそ、ビートルズの《アビー・ロード》をパロディ化したものですが、収められている曲は、さまざまなビートルズの曲に過ぎません。


レゲエ・ビートルズ
オリジナルの《アビー・ロード》















 ビッグ・ダディは、80〜90年代のヒット曲を50年代のスタイルでアレンジするバンドとして知られていますが、ビッグ・ダディの《サージェント・ペバーズ》は、冒頭の〈サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド〉からラストの〈ア・デイ・イン・ザ・ライフ〉まで、曲順までオリジナルとまったく同じです。確かに元の曲はビートルズのものなのですが、音楽はビッグ・ダディのものになっています。ビートルズに敬意を払いつつ、遊び心を忘れないという意味で、これは立派なパロディですね。

ビッグ・ダディの《サージェント・ペパーズ》
オリジナルの《サージェント・ペパーズ》


 帯に付けられたWARNING(注意書)がシャレていました。曰く、
 「類似品に注意、とは口が裂けても言えません。どっちかつぅーとこっちが類似品です。そこんとこお間違えの無いように。なおこの作品に対するクレームは一切受け付けませんので悪しからず。」
ですって。
 でも、ビッグ・ダディの演奏の中で、〈ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ〉などは、オリジナルのリンゴ・スターが歌ったものよりも、ぼくは気に入っています。パロディがオリジナルを超えることもあるようです。

今日のお土産

 研修医のNk先生は、お母さまと一緒にフランスは巴里の都に旅行されました。ユーロが高くなっていたけれど、しっかり買い物して来られたそうです。麻酔科にもしっかりお土産をいただきました。
ありがとうございました。