2013年10月13日日曜日

最初の経験というのは誰にでもある

 一番最初の麻酔症例は、脊椎麻酔でした。

 腹式単純子宮全摘でしたが、ボスミンを添加したネオペルカミンSという局麻薬を用いた薬液で脊椎麻酔を行いました。18Gの注射針を皮下までのガイドとして、27Gの脊麻針を用いて穿刺し、薬液を投与しました。

先生、オレ脊麻始めてなんすけど、
大丈夫っすかね?

 これが、小児科から麻酔科研修にローテートして初めての麻酔経験でした。だから、27G脊麻針を使うのが特別なのかスタンダードなのかなどは知りませんでした。当時の部長が指示するままに手を動かしていました。
 後になって、27G針を使ったのは、脊麻後頭痛をできる限り少なくするための配慮だったのだと知りました。







何〜に、心配いらんよ。
ワシも初めてなんだから…

 最初の麻酔のことは、このように鮮明に記憶しているのに、不思議と二例目の記憶がありません。おそらく全麻だったと思うのですが、記憶に残っていないのです。このように、最初の経験というのは、かなりのインパクトがあり、陳述記憶として長く鮮明に残るようです。










 今は、一流となったミュージシャンでも、当然、最初のレコーディングというものがあります。
 ジャズ・ギタリストのパット・メセニーの初リーダー・デビュー・アルバムは《ブライト・サイズ・ライフ》(1976年)でした。このアルバムでは、音楽仲間であったジャコ・パストリアスが全曲に参加しています。ギター・ベース・ドラムスという変則的なトリオ演奏です。
 パット・メセニーは弱冠21歳。ジャコは、自分自身のリーダー・アルバムを録音する前、1975年12月の録音でした。

LPジャケットの裏には、21歳のパット・メセニーの肖像が

 学生時代に、LPに針を下ろしたとき、いきなり聞こえてきたパット・メセニーのギターの音にゾクゾクしたものです。A面1曲目は、タイトル・チューンの〈ブライト・サイズ・ライフ〉。ジャコのベースは、少し控えめにサポートして、パット・メセニーのメロディを支えています。
 みずみずしいという表現がぴったりのアルバムですね。

今日も一日、いい天気でした。