2013年10月18日金曜日

携帯の呼び出しへの対応:マナーか品格か

 たとえば、術前訪問した患者さんと向かい合っている途中であっても、院内のPHSの呼び出し音が鳴ることがしばしばあります。

 電話をかけてくる相手には、こちらがどんな状況であるか分からないわけですから、いたしかたがないことなのですが、「取りこんでいるから後で電話して下さい」と頼むときでも患者さんとの話を一時中断しなければなりません。そんなときは、一応「すみません」とひと言患者さんに断ってから電話に出ることにしています。

 「みやざき中央新聞」10月14日(月)付けを読んでいると、水谷謹人(もりひと)編集長の社説にこんな記事が載っていました。


 最近、ちょっと気になる光景を垣間見るようになった。仕事の打ち合わせをしている時、仲間と食事やお茶の席でおしゃべりしている時、わざわざテーブルの上に携帯電話やスマホを置く。電話が鳴ったら、すぐ出る。
 「すみません。ちょっと失礼します」と一言あれば、それほど気にならない。また、電話に出ても、「すみません。後で掛け直します」という言葉を聞くと、こちらが優先されていると思えるので、ちょっと嬉しくなる。
 しかし、そんなお断りの言葉もなく、当たり前のように長々としゃべり始められると、その人の品格を疑いたくなる。…(中略)
 電話はバスの中では使用を控える、映画館では電源を切る、そういうマナーは随分定着してきた。しかし、先に述べたことはマナーの問題ではない。プライオリティ(優先順位)と品格の問題なのだ。
 
 院内でかかってくる電話は、こちらに伝えなければならない情報があるときがほとんどなので、無視してばかりいるわけにもいきません。でも、最近の携帯やスマホは、情報伝達という役割以上に、精神安定剤の役割を果たしていて、それが手元にあるだけで安心できる何かがあるのだそうです。

 そうは言っても、人は誰でも「自分は大切にされたい」という自己重要感を持っていて、その気持ちを満たしてくれる人に心が惹かれ、仕事においても、プライベートにおいても、いい人間関係がつくられる。と、水谷氏は続けます。
 電話やメールが来たら、すぐ対応できる体勢を作って会合やおしゃべりにのぞんでいる人は、決して目の前の人の自己重要感を満たさない、のだそうです。

今日のお土産

 スコットランドのエディンバラで開催された学会に出席されたOt先生は、今日はスコットランドのお土産を持参して、関空から京都市立病院へ直行されました。
 エディンバラは、北海道より少し北に位置して、天気も曇りばかりで、向こうではコートなしでは過ごせなかったそうです。
ありがとうございました。