2013年2月8日金曜日

「いらないもの」は捨てられているか?

 今日は、日本全体に寒波が襲来しました。
 京都市内でも雪が降り、冷たい北風が吹く一日となりました。

FIRSTFLEX 二眼レフカメラ
二眼レフカメラというのは、今では骨董品になりつつあります。このカメラは、上のレンズで被写体の映像をカメラの上のすりガラススクリーンに投射し、同じ焦点距離となっている下のレンズでフィルムを感光する仕組みになっています。
 この二眼レフカメラは、やがて一眼レフカメラに取って代わられました。そして、今ではデジタル記憶媒体の発達によって、フィルムそのものが骨董品となりつつあるようです。











Tycos社の血圧計

 京都市立病院手術室にも、今は使われていない骨董品のような血圧計が残っていました。
 Tycos社(U.S.A.)の手動血圧計です。このTycos社の血圧計は、支柱に取り付けることができるので、かつては麻酔器の横につけて、5分ごとに送気球で空気を送って、患者さんの手に巻いたマンシェットをしめつけて、術中の血圧測定をしていました。

 去年までは、このTycos社の血圧計は、古い麻酔器の横に付けられていました。しかし、ほとんどのスタッフは、これが何であるのかは知らずに日常業務を行っていました。文字通り、「モノが放置」されていたわけです。







 (株)OJTソリューションズ『トヨタの片づけ』(中経出版)では、こうした「モノの放置」がなぜ生まれるかについて、「『いるものと『いらないものを分け、『いらないものは捨てる—という『整理が意識されていないから、モノの放置が生まれる」のだ、と説明しています。

 いみじくも、マネジメントの父と呼ばれるP.F.ドラッカーは、『マネジメント(エッセンシャル版)』[ダイヤモンド社]の中でこう言っていました。

 「イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。昨日をすててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために開放できる。」

  新病棟の手術室開設を前にして、いま一度、手術室・麻酔科の中で「いるもの」と「いらないもの」を整理してみようかしら、とTycos社の血圧計を眺めながら考えました。

花屋に並んでいたスィートピー
スィートピーの花言葉には、別離・門出とあります
「いらないもの」に別れを告げて、イノベーションを起こす門出にしたいものです