2013年3月22日金曜日

闇夜の国から電子麻酔チャートへ

 井上陽水の初期の歌に『闇夜の国から』(1974年)というのがありました。
1974年の井上陽水さんは
こんな感じでしたね

  闇夜の国から二人で舟を出すんだ
  海図も磁石もコンパスもない旅へと

という歌い出しです。
 ここに出てくる海図というのは、英語ではchart(チャート)と言います。






 麻酔中に術中のバイタルや投与薬剤、輸液、輸血、出血量、尿量などを記録する「麻酔記録」のことを、麻酔チャートと呼ぶことがあります。
 海図というと、舟が進むべき安全なルートを指し示すナビゲーターという印象があります。でも、麻酔チャートの場合は、あらかじめ敷かれたルートというのは、そもそも存在していません。記録されてしまった内容は、あくまで麻酔と手術の結果であって、しばしば、予想していたルートからは、はずれたりしています。

 昨今、この麻酔チャートは電子化されて、術中のバイタル等は電子麻酔チャート上に自動的に取り込まれて、適宜投与薬剤の内容と容量を手入力すれば、麻酔終了と同時に、麻酔時間・手術時間・輸液量・薬剤投与量などを計算して出してくれるようになってきています。

 京都市立病院麻酔科では、まだ三枚複写の手書き麻酔チャートを使っています。電子カルテには、この紙ベースの麻酔チャートをスキャンして取りこんで保存しています。

麻酔器の右手にあるのが、電子麻酔チャート用PC
しかし、現在、この麻酔チャートを電子化する準備が着々と進行中です。四月半ばには、電子麻酔チャートが稼働する予定になっています。
も少し待っててね♡











今のところは「システム調整中」。
 今しばらくのご辛抱を。