二年目研修医のMd先生とTn先生が来られる予定でしたが、お二人ともインフルエンザないし同疑いで、研修初日から休みをとられました。
1月の半ばから、インフルエンザとノロウィルスなどによる感染性胃腸炎が急増してきました。研修医の先生方は、救急当直ではインフルエンザに罹患した患者さんを最前線で診察されるわけですから、感染のリスクが増えるのも無理はありませんね。
お大事に。
で、今日は一年目研修医のMn先生が当直明けでデューティオフだったので、研修医は二年目のKm先生お一人でした。
孤軍奮闘するKm先生 |
さて、「かしめる」論争のその後です。Yy先生によると、「かしめる」という言葉を使っていたのは、おばあちゃんではなくて、お父さんだったのだそうです。お父さんもネジ業界とは関係がないそうなので、これはやはり方言なのでしょうか?
ところで、方言で思い出したことがあります。
かつて『探偵!ナイトスクープ』という番組があったのをご存じでしょうか?この番組の中で、「全国アホ・バカ分布図」調査というのが行われたことがあります。
全国アホバカ分布図 松本修『全国アホバカ分布考』より |
関西では「アホ」が普通の表現ですが、関東圏では「バカ」という言葉が普通です。この他にも、地方によって「アホ・バカ」類義語にはかなりのバリエーションがあります。ダラ、デレスケ、タワケ、ホデナス、トロイ、ウトイ、アンゴ、等々。
これらの方言を分布図上にマッピングしてみると、興味深い事実が浮かび上がってきました。アホ文化圏は、関西地方に集中し、バカ文化圏は、関西から離れた地域に広がっているのです。さらに、関西を軸にして、東と西に、同じような表現をする地域が存在することが分かったのです。たとえば、鳥取・島根県はダラ系語圏ですが、同じダラ系語圏は、福井・石川県にもあります。また、ホデナス、ホガネー等のホンジナシ系語圏は、九州南部(鹿児島・宮崎県)とともに東北地方にも分布しているのです。
松本修『全国アホバカ分布考』[太田出版] |
『探偵!ナイトスクープ』プロデューサーの松本修さんの考察は、次のようなものでした。
「言葉は、京の都で生まれて、人によって地方へ運ばれて行った。だから、歴史的には『アホ』の方が新しく、『バカ』の方が古いと考えられる。分布図で『アホ・バカ類義語方言』が京の都を中心に同心円状に広がっているのは、言葉が京の都から地方へと広がっていたことを示唆すると考えられる。」
言葉の拡散のし方は見えてきても、それぞれの言葉の語源となると、まだまだ分かっておらず、ナゾは多いようです。