2013年2月1日金曜日

麻酔と医のプロフェッショナリズム

 内科学会では、数年前から「医のプロフェッショナリズム」に関する議論が盛んです。

医のプロフェッショナリズムの定義
 医のプロフェッショナリズムの定義として、分かりやすくて気に入っているのは、L. Arnold & D.T.Sternらの図です。(David Thomas Stern ed. 'Measuring Medical Professionalism' Oxford 2006.)
 プロフェッショナルとしての医師に求められているのは次のような内容です。

 ベースには、当然のことながら臨床能力(医学知識)が求められます。その上には、コミュニケーション能力が求められています。
 これは、医療が単なる知識を応用して問題解決すればよいというものではなく、他科の医師やナース、ときには他職種のスタッフとも協力して仕事を進める必要があるからでしょう。また、患者やその家族に対するときにもコミュニケーション能力は要求されます。
 さらに、その上に、倫理的・法的理解が乗っかっています。臨床は、人を相手にする仕事であるので、こうした配慮はかかせません。
 プロフェッショナルとなるためには、これだけではまだ不十分だと、Arnold & Sternの図は主張しています。
 そうした基礎の上に、
  ①Excellence(卓越さ)
  ②Humanism(ヒューマニズム)
  ③Accountability(説明責任)
  ④Altruism(利他主義)
という四つの柱を立てることが必要だと説いています。
 つまり、
 ①医学の知識や技術は日進月歩なので、常に自らの知識と技術をアップデートする。
 ②人間を尊重する立場を貫く。
 ③自分がした行為について、求めがあれば、患者のみならず同僚や社会に対しても説明ができる。
 ④自らの利益ではなく、他人の利益を優先する態度をとる。
 という姿勢が求められています。

 しかし、よくよく考えてみれば、この四つの資質って、何も医師に限って要求されるようなものではないように思います。
カ デル ヴィアーレのシェフ渡辺さん
JR二条駅のすぐ近くに、カ デル ヴィアーレというイタリア料理店があります。この店のシェフの渡辺さんは、まさに上のプロフェッショナルの定義に当てはまるような方です。
カ デル ヴィアーレ






 京野菜を使ったオリジナルの前菜、旬の素材を活かしたパスタなど、料理の質にはいつも感心させられます。(Excellence)また、食事が終わって帰るとき、料理の手が空いていたら、自ら門の外まで送って下さるくらいお客を大事にされています。(Humanism)カウンター席に座ると、料理をするシェフはすぐ間近にいて、料理について、あるいは素材について質問すれば、いろいろと教えて下さいます。(Accountability)そして、料理を作り、客に提供すること自体がそもそも利他的な行為です。(Altruism)

京野菜を使った前菜



手打ち麺のパスタ料理
この店に行くと、いつもシェフのプロフェッショナルとしての姿勢に接することができて、気持ちよく食事ができて、幸せな時間を過ごせたと思えるのです。





 プロフェッショナルとしての麻酔科医は、どうあるべきか。もう一度、カ デル ヴィアーレで食事をしながら考えてみようかしら…
 
 
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